Data画面に表示されるのは、Shadowrocketが端末上で記録した通信量です。サービス提供元の利用明細や、システムのモバイルデータ通信量とは異なります。自分の接続設定を追加済みの方向けに、サーバー別とアプリ別の表示の違い、同じ時間帯での送受信量の増加、ルールによる接続先、集計対象を確認する方法を説明します。数値が大きい、またはゼロになる場合の確認ポイントも紹介します。
まず確認すること:サーバー別とアプリ別の違い
ShadowrocketのData画面では、現在選択されている分類、単位、時間範囲を確認しながら読み取ります。サーバー別表示では接続先ごとの通信記録を、アプリ別表示では通信元の分類を確認できます。どちらも同じ通信を別の視点から見たもので、両方の合計を足して別の通信量として扱うものではありません。
サーバーの項目は、サービスの残り容量を示すものではありません。サービスやサブスクリプションを利用している場合、提供元側で独自の集計期間、倍率、送受信量の算出方法、更新タイミングが設定されていることがあります。Dataのローカル表示から分かるのは、対象範囲に記録された通信量です。残りの利用可能量は判断できません。
サーバー別表示
- 確認できる内容
- 接続先ごとの通信記録
- まず確認する項目
- Homeで選択中のサーバーと実際の接続先
- 確認に役立つ場面
- 接続先を切り替えた後、どの記録が増えているか
- 代わりにはならないもの
- サービス提供元側の利用量や請求明細
名前が似ていても、集計対象が同じとは限りません。比較する前に項目を確認してください。
アプリ別表示
- 確認できる内容
- アプリの通信元として分類できる通信記録
- まず確認する項目
- 使用中の端末でこの表示と通信元情報を確認できるか
- 確認に役立つ場面
- 特定のアプリを操作したとき、どの通信元の記録が増えるか
- 代わりにはならないもの
- システム上のすべての通信活動を網羅した統計
アプリの通信元を識別できる範囲は、プラットフォームや接続情報によって異なります。不明な記録を無理に特定のアプリに割り当てないでください。
表示される統計項目や通信元情報は、Apple製品によって異なる場合があります。この記事で紹介する2つの表示方法が、すべての端末で同じアプリ一覧を示すとは限りません。Dataに特定の詳細が表示されない場合、サーバー名、ドメイン、プロセスの手がかりだけでアプリ別の通信量を断定しないでください。
送受信量と速度:単位を確認してから数値を読む
アップロードは端末から外部へ送信するデータ、ダウンロードは端末が受信するデータです。Webページを開くと、リクエストの送信とページ素材のダウンロードの両方が発生します。動画再生中もリクエストや確認、制御情報が送信されるため、「動画を見ているだけなのにアップロード量がある」こと自体は異常ではありません。送受信の両方が増えるのは通常の通信動作です。
数値に/sが付いている場合は、計測時点の通信速度を表します。KB、MB、GBなどの累計値は、集計範囲内のデータ量です。アプリの通信が止まると速度はゼロに戻りますが、累計値はそのまま残ります。短時間の速度のピークを、消費した総データ量と混同しないでください。
| 表示値・計算例 | 読み取り方 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| ダウンロード累計 120 MB | 現在の集計範囲で受信したデータ量 | 集計範囲とリセット時刻を確認する |
| ダウンロード速度 2 MB/s | 計測時点の受信速度 | 累計で2 MB受信したという意味ではない |
| 150 MB − 120 MB = 30 MB | 2回の累計値の差が、その時間帯の増加量 | 同じ項目・同じ集計範囲の値を比較する |
| 8 Mbps ÷ 8 = 1 MB/s | 十進法の単位で換算した理論値 | 実際の通信量にはプロトコルのオーバーヘッドなども影響する |
表の数値は計算例であり、速度測定の結果ではありません。画面によって換算方法や表示桁数が異なる場合もあります。わずかな差だけで、通信量が不足または過剰に計上されたとは判断できません。
集計期間:今月分や今回の接続分とは限らない
Data画面の集計期間は、画面に表示される範囲、日時、リセット状況を基準に確認してください。「今日アプリを開いた」という理由だけで、累計値を今日の通信量とみなすことはできません。また、接続を切り替えただけで統計が必ずリセットされるわけではありません。
統計のリセット、接続の切断、サーバーの切り替えは、それぞれ異なる操作です。画面に消去やリセットの項目がある場合も、現在のグループ、個別の項目、またはより広い範囲のどれに適用されるかを先に確認してください。問題の切り分けでは、履歴をすぐ消去するより、最初の値を記録して増加量を調べる方法が有効です。
- Dataを開き、現在の分類、項目名、アップロードとダウンロードの累計値、画面に表示された時間範囲を記録します。
- 開始時刻を記録します(例:14:00)。テスト中は同じ表示を保ち、比較対象を切り替えないでください。
- 操作を1つだけ行い、14:05に同じ項目の値を記録します。終了値から開始値を引いて増加量を確認します。
- 途中でリセット、項目の変更、集計範囲の変更があった場合は、その差分を使わず、あらためて基準値を記録してください。
ルールによる接続先:選択中のサーバーをすべての通信が通るとは限らない
Homeでサーバーが選択されているのに、そのサーバーの通信記録がほとんど増えない場合は、まずHome → Global Routingを確認してください。Configを使っている場合、リクエストの接続先は現在のConfig内のルールによって決まります。Directは直接接続、Proxyはプロキシ接続です。Sceneを使っている場合は、前回選択したサーバー名だけでなく、現在有効なSceneも確認してください。
この流れは統計の関係を理解するためのものです。すべてのシステム通信が必ずトンネルに入ることを示すものではありません。比較に使えるのは、該当する処理と記録の対象になったデータだけです。システム側で除外された接続、設定によって迂回した接続、または記録対象外の通信が、特定のプロキシサーバーの項目に必ず表示されるわけではありません。
[Rule]
DOMAIN-SUFFIX,example.com,DIRECT
FINAL,PROXY
上の例は通信の振り分けを示すもので、完全な設定ではありません。Configを使用している場合、example.comおよびそのサブドメインに一致する接続はDIRECTを使います。それ以前のルールに一致しない接続にはFINAL,PROXYが適用されます。そのため、直接接続ルールに一致する宛先へのアクセスを使っても、プロキシサーバーの項目が増えるかどうかは確認できません。ルールは上から順に照合されます。また、変更前に確立した接続が再利用されていないかも確認してください。
- Configで現在選択されている設定を確認します。無効になっているファイルを見ただけでは不十分です。
- 接続記録と照らし合わせて、宛先と適用されたルールを確認します。複数のドメインを含むページ全体を、1つの接続として扱わないでください。
- 比較の前後でGlobal Routingを変更せず、接続モードの変化を統計の不具合と取り違えないようにしてください。
数値が大きいとき:バックグラウンド通信と集計方法の違いを確認
通信量が予想を大きく上回る場合は、「ダウンロードしたファイルのサイズより多い」のか、「サービス提供元の表示量より多い」のかを区別してください。前者は、先読み、再試行、バックグラウンド同期、ページ内の追加素材などが原因となることがあります。後者は、サービス提供元の集計範囲や課金方法にも左右されます。状況に応じて原因を切り分けてください。
| 確認できる現象 | 優先して確認する項目 | 確認方法 |
|---|---|---|
| アプリを操作していないのに数値が増える | バックグラウンド通信と自動接続 | 同期、メディア再生、ダウンロードを一時停止し、Settings → On Demandを確認する |
| 数十MBのファイルに対し、増加量がそれを上回る | 追加の素材と再試行されたリクエスト | ほかの通信を止め、同じファイルで短時間の比較をやり直す |
| サービス提供元の利用量と一致しない | 集計期間、倍率、送受信量の算出方法 | まず開始時刻と終了時刻をそろえ、サービス提供元が示す利用量の説明を確認する |
| 同じアプリに関連する項目が複数表示される | ページ素材と接続の分割 | 同じ時間帯で比較し、ドメイン数をアプリ数とみなさない |
Settings → On Demandでは自動接続の設定を確認できます。条件に合う通信が発生すると、利用を止めたつもりでもオンデマンド接続によってトンネルが再接続されることがあります。これは通信量を増やす設定でも、統計をリセットする設定でもありません。切り分けの際は、Homeの接続状態とシステムのVPN状態もあわせて確認してください。
プロトコルのオーバーヘッドや接続維持などにより、測定位置によってデータ量が異なる場合があります。ただし、すべての接続に一定の割合を当てはめることはできません。差があるという理由だけで、特定のアプリが異常な通信を行ったと判断するのも避けてください。まず時間範囲を絞り、どの操作の後に増加したかを確認します。
数値がゼロ、またはアプリが表示されない場合:順番に確認
ゼロ表示は、現在の項目と集計範囲で目に見える増加が表示されていないことを示すだけで、ネットワーク通信がまったくない証拠ではありません。リクエストがキャッシュから読み込まれた、別の接続先を使った、または表示精度に達していない可能性があります。通信元を識別できない場合も、アプリ名が表示されないことを通信がないという意味に解釈しないでください。
Webページは開くのに、選択中のサーバーがゼロのままなのはなぜ?
まずHome → Global Routingで接続モードを確認してください。Configを使用している場合は、Configで現在のルールと実際の接続先を確認します。その後、キャッシュされていないリクエストで再テストしてください。同じキャッシュ済みの内容を何度も再読み込みしないでください。
アプリ一覧に使用中のアプリが見つからないのはなぜ?
まず、現在のDataでアプリの通信元情報を確認できるか、未分類の記録があるかを確認してください。アプリを1つだけ使って短時間の比較を行い、サーバー別表示とも照合します。通信元を確実に特定できない場合は不明のままにし、ドメイン名の類似だけで判断しないでください。
サーバーを切り替えたのに、以前の項目が増え続けるのはなぜ?
まずテスト対象アプリの通信を一時停止し、接続し直してから確認してください。既存のセッション、バックグラウンドタスク、設定内のルールによる接続先を確認する必要があります。Homeで選択先を変更しただけでは、既存の接続がすべて切り替わったとは限りません。
アップロード量は表示されるのに、ダウンロード量がしばらくゼロです。接続に失敗していますか?
画面が更新されるまで待ち、接続先から実際に内容が返されたか確認してください。接続記録とページの表示結果もあわせて判断します。短い送信だけが発生した場合、表示精度の影響、またはリクエストの失敗によって、一時的にこのような状態になることがあります。
再確認できるテストを1回行い、切り分け内容を記録する
有用な記録には、「いつ、どの項目で、何を操作し、数値がどう変化したか」を残します。すべてのデータを先に消去したり、数値を増やすために長時間通信したりする必要はありません。自分が普段利用する宛先を選び、ほかの通信を減らして、短時間の前後比較を1回行ってください。
- 準備:Homeで接続状態とGlobal Routingを確認し、Configで有効な設定を確認します。Settings → On Demandの現在の状態も記録してください。
- 基準値を記録:Dataの分類、項目、時間範囲、アップロード値、ダウンロード値を記録します。アプリへの分類を確認する場合は、識別できる通信元が表示されているかも記録してください。
- 操作を実行:対象のページを1つ開くか、既存のファイル転送を1回行います。速度測定、動画再生、コンテンツ更新を同時に行わないでください。
- 画面の更新を待つ:操作後に少し待ち、同じ項目の終了値を記録します。アップロードとダウンロードの増加量をそれぞれ計算してください。
- 結果を確認:実際に適用されたルール、キャッシュ、バックグラウンド通信を踏まえて判断します。再テストする場合は条件をそろえ、変更する設定は毎回1つだけにしてください。
記録には切り分けに必要な情報だけを残してください。共有する前に、サブスクリプションのURL、認証情報、個人のドメイン名、サーバーアドレスを隠します。Dataはどの集計範囲で通信量が増えたかを調べるのに役立ちますが、接続品質、サービスの残り容量、アプリへの通信元の分類はそれぞれ別に確認が必要です。累計値1つからすべてを判断することはできません。